ロングパスタやショートパスタの陰に隠れてあまり目立たない存在のニョッキですが、個人的に大好きで、先日レッスンでもご紹介させていただきました。
もともとニョッキは、セモリナ粉や小麦粉に水を加えて練った生地を、団子状に成型したもの。
19世紀にアルプスを越えてじゃがいもの栽培が伝わり、人口増加や飢饉で小麦が不足した際に、小麦粉にじゃがいもを加えたニョッキが作られるようになり、のちにじゃがいものニョッキが一般的になりました。
イタリアはもともと敬虔なカトリックの国で、戒律により金曜日が断食の日だったことから、前日の木曜日に金曜日を乗り切るため、腹持ちのいいニョッキを食べる習慣がありました。
今は宗教的な背景はうすれたものの、木曜日にニョッキを食べる習慣は根強く残っていて、ローマでは「木曜日はニョッキの日」と言われています。
トマトソースやセージバターソースで食べるのがポピュラーですが、ミートソースやレッスンでもご紹介したチーズソースなどの濃厚な味ともよく合います。
じゃがいも以外にもかぼちゃ、ほうれん草のニョッキなどバリエーションがありますが、使う野菜の水分量を考慮して粉の量を調節して作るのが大切です。
ニョッキは冷凍もできるので、たくさん作って常備しておくととっても便利。
パスタとして食べるほかにも、揚げておつまみにするのもおすすめです。
ニョッキを170~180℃の油でこんがり色づくまで揚げると、表面はかりっ、中はもちっの新食感。
今回はイタリアの庶民のパスタ、ニョッキのお話でした。
日々のお料理の参考になりましたらうれしいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
参考:プロのためのわかりやすいイタリア料理(柴田書店)