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ピンチから生まれたデザート~Tarte Tatin(タルトタタン)

寒さが増して、おいしいりんごが出回るようになると食べたくなるのがTarte Tatin(タルトタタン)。

りんごをたっぷりと使った甘酸っぱさが後を引くこのお菓子は、パリから車で2時間ほど南下したソローニュ地方オルレアン近郊にあるラモット・ブヴロン(Lamotte-Beuvron)という町の地方菓子です。

19世紀後半にラモット・ブヴロンでホテルを営んでいたタタン姉妹が作ったと言われているこのお菓子。もともとはピンチから生まれた偶然の産物でした。

当時、姉のステファニーが料理を担当、妹のカロリーヌはサービスを担当していました。
その日はちょうど混みあっていて、あまりの忙しさにタルトの生地を敷き忘れ、りんごだけを焼いていたことに気づいたステファニー。この後さあどうしようとなり、考えついたのが生地を被せてひっくり返してケーキにするという方法でした。

機転を利かせて作ったこのデザートは、宿泊客に大好評。以来ホテルの名物になったそうです。

のちにフランスの美食家キュルノンスキーがこのお菓子に出会い、パリで「Tarte des demoiselles Tatin(タタン姉妹のタルト)」と紹介したことをきっかけに、世界的に有名になりました。
(このお菓子ができた場にキュルノンスキー自身がいたという話もあります)

実は、タルトタタンのように通常と逆の作り方をするタルトは、昔からソローニュ地方からオルレアネ地方一帯に伝わるものだそうで、そういったこともこのお菓子の誕生に影響していたのかもしれませんね。

タタン姉妹はすでに亡くなっていますが、姉妹が切り盛りしていたホテルは今でも営業していて、名物のタルトタタンがいただけるとのことです。
La Maison TATIN:5 Avenue de Vierzon, 41600 Lamotte-Beuvron

個人的にはバニラアイスを添えるのが好きですが、現地ではアイスや生クリームなどは添えず、シンプルにタルトだけで提供されているそうです。

こちらはストウブのココットラウンド12cmで作ったタルトタタン、以前レッスンでご紹介したものです。
久しぶりに食べたくて作ったのですが、ふと思いついてお鍋の蓋で底生地をカットしてみたらなかなかよい感じに。

ストウブのお鍋は蓋裏に写真のような「ピコ」と呼ばれる突起があるのですが、跡もつかずきれいにカットできました。

蓋裏全体についている突起が「ピコ」。鍋の中に溜まった水分を調理中まんべんなく循環させるためについています。

生地が膨らまないよう両面にフォークで穴をあけて焼くとこんな感じに。
焼く前の生地と比べると一回り小さく、お鍋の底とほとんど同じ大きさになりました。
焼きあがったりんごに被せてみるとシンデレラフィット!と、これは余談でした。


今回はりんごをたっぷり使ったフランスの地方菓子タルトタタンのお話でした。
日々のお料理の参考になりましたらうれしいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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