4月のフレンチ基礎レッスンでご紹介したメインはバスク地方のお料理でした。
少し前に流行ったバスクチーズケーキでバスクの名前を初めて聞いた、という方も多いかもしれませんね。
スペインとフランスにまたがる地域で、少し前に独立運動もありましたが、石造りの街並みや色使い、バスク独特の字体、旗、モチーフ、バスク語といわれるこの地域で話されている言葉など、現在でも色濃く独自の文化、伝統が残っています。
旅行で訪れたときの写真。バスクカラーの赤・緑・白が町のそこかしこに。
今回は食で地域を知っていただくべく、バスク地方で作られるチーズ「オッソ・イラティ」、「ケソ・マンチェゴ」、チーズと一緒によくたべられる「メンブリージョ」をご用意しました。
こちらのオッソイラティは、1980年にAOCに認定された羊乳のチーズ。名前はベアルン地方の「オッソーの谷」、バスク地方の「イラティの森」に由来しています。スペインとの国境にあるピレネー山脈の麓で作られたのが始まりで、現在ではフランス全土で親しまれ、国民に愛されているチーズです。コクと甘みがあって食べやすく、現地ではブラックベリーのジャムと一緒に食べるのが定番です。
AOCとは
Appellation d’Origine Contrôlée(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)の略で、フランスの農業製品(ワイン、チーズ、バターなど)に対して与えられる認証制度。製造過程、品質が特定の条件を満たしたものにのみ付与される。
ケソ・マンチェゴ(マンチェゴ)はスペインを代表する羊乳のチーズ。『ドン・キホーテ』の舞台、ラ・マンチャ地方で作られています。表皮に縄のようなジグザグ模様がついているのが目印で、昔チーズの型入れとして使っていたカゴの編目模様の名残と言われています。オッソ・イラティーに比べると色が白っぽく、さっぱりとしていて食べやすい印象でした。
こちらはメンブリージョ。マルメロ(西洋かりん)のジャムで、羊羹やういろうのような見た目ですが柔らかくそのまま食べてもおいしいです。チーズを一緒に食べると羊乳の癖が和らぎ、チーズのコクを引き立ててくれます。
こちらはPiment d’Espelette(エスプレット唐辛子)。山間にあるエスプレットという村で作られる唐辛子です。収穫時期に家の軒先に収穫した唐辛子をつるして乾燥させる光景が有名で、10月には唐辛子祭りがあり、多くの人でにぎわいます。
日本の唐辛子のイメージと違って、辛みはありますが旨味、香りがよく、今回ご紹介した鶏のバスク風煮込みにはもちろん、オムレツ、トマトパスタ、お肉、お魚など様々なお料理のアクセントとして使われます。
現地では、ジャム、チョコレート、オイルなど様々な唐辛子製品があり、お土産にされる方も多いそう。ジャムは今回ご紹介したオッソ・イラティーとよく合います。
アレンジメニューのフラメンカエッグにもパラリ。
レッスンが生徒様の食の楽しさを広げるきっかけになるように、これからもいろいろな食材をご紹介していきたいと思います!