
先日のお昼、今年の6月に飯田橋の日仏学院内にオープンしたレストラン『Loiseau de France(ロワゾー・ド・フランス)』に行ってきました。
こちらのお店は、フランス料理の歴史を語るうえで欠かせない、故ベルナール・ロワゾ―氏がシェフを務めた『コート・ドール(La Côte d’Or)』の流れをくむレストラン。ブルゴーニュ地方ソーリュ―にある『コート・ドール(La Côte d’Or)』は、現在ミシュラン二つ星の評価を得ています。
※現在『コート・ドール(La Côte d’Or)』は、ソーリュ―の五つ星ホテル『Le Relais Bernard Loiseau(ルレ・ベルナール・ロワゾ―)』内にあります。
落ち着いた色合いのソファーとテーブルが贅沢に配置された店内でいただけるのは、ブルゴーニュ地方やフランス各地の郷土料理。こういったお料理を食べられるお店はそう多くないので、久しぶりに見るメニューに小躍りしてしまいました。
※メニューはお店のHPからも見ることができます。
今回選んだのは、前菜、メイン、デザートを選べる「Menu Découverte~出会いのメニュー」。
どれも食べたくて悩みましたが、今回はこちらをチョイス。
前菜:Œuf en meurette façon Bernard Loiseau
ポーチドエッグのムーレット ⾚ワインの⾹り ベルナール・ロワゾースタイル
赤ワインとCrème de Cassis(クレーム・ド・カシス)というブルゴーニュ地方で有名な黒すぐりを使ったリキュールでソースを作っているそうです。つやのあるソース、焦がし玉ねぎのエスプーマ、ベーコンとポーチドエッグ。1つ1つ丁寧に作られていて、カジュアルな料理が上品な1皿に仕上がっています。

メイン:Quenelle de poisson, sauce au safran et coquillages
⽩⾝⿂のクネル サフランと⾙類のソース
クネルはブルゴーニュ地方の都市リヨンの郷土料理。フットボール状に成型した形をクネルといい、魚のすり身をクネルの形にして火を入れた料理もクネルと言います。現地ではカワカマスという川魚でクネルを作り、ザリガニを使ったソースで食べるのが定番ですが、お店では鱸と帆立を使ったクネルにあさりのだしを使った旨味たっぷりのソースをたっぷりつけていただきます。

デザート:Pavlova aux fruis exotiques
エキゾチック・フルーツ・パブロヴァ
パブロヴァはロシアのバレリーナ、アンナ・パブロバに捧げるために作られたお菓子で、ニュージーランドが発祥と言われていますが、アレンジをしたものが『コート・ドール(La Côte d’Or)』でも提供されていたことから、今回日本のお店でもラインナップしたそうです。
パイナップルとパッションフルーツを角切りにしてマリネしたもの、マスカルポーネのクリームを層にして、乾燥焼きしたメレンゲを一番上にのせてあります。甘酸っぱさとグラスの涼しげな見た目がピッタリ。ずっと食べてみたかったお菓子だったので、今回食べられてよかった。

味付けはフランスでいただく感じに近く比較的しっかりしていたので、日本のフランス料理に慣れている方には少し濃く感じられるかもしれませんが、盛り付けが上品なので味と量のバランスはちょうどよい印象でした。
余談ですが、同じメニューを現地の庶民的なお店で食べると、量やつけあわせがびっくりするほど多いのでご注意を。注文するときは周りの席を見ながらお料理を決めるのをおすすめします。
アルザスに行ったとき入ったお店で、隣に座った4人組(イギリスの方だったかと)がホワイトアスパラガスを頼んだら、10本くらい盛られたお皿が4皿出てきて席の人もこっちもびっくりでした。
当然食べきれなくて残していて、お店は売り上げになっていいかもしれないけど、せっかく来てくれたお客さんに対してちょっと意地悪だなって思いましたし、そもそももったいない。注文の時に言ってくれればいいのに。
写真付きのメニューもお店にあまり置いてないので、お料理のイメージがわからないときはコミュニケーションを楽しむと思って、いろいろ聞いてみるのもいいかもしれませんね。
ちなみに、現在『Loiseau de France(ロワゾー・ド・フランス)』がある場所には、以前『La Brasserie(ラ・ブラッスリー)』というお店があり、ボルドーを基調にしたシックな店内とテラス席でボリューム満点の王道ビストロメニューがいただけました。フロアにフランスの方もいて、ちょっとパリ気分を味わえるとっても素敵なお店だったので、日仏で授業を受けた帰りによく行っていました。
その頃に比べると、高級感が増して気軽に行ける感じではなくなってしまいましたが、サンドイッチなどの軽食も販売されていて、テラス席でサンドイッチとワインをいただく、と言った過ごし方もできるそうです。
2021年にリニューアルされた、藤本壮介氏のデザインの日仏の新校舎もとても素敵で、建築好きの方にもおすすめのスポットです。
Loiseau de France(ロワゾー・ド・フランス)
〒162-0826 東京都新宿区市谷船河原町15 日仏学院内
TEL:03-6280-7803
営業時間:水~日 11:30 – 15:00(L.O13:30), 17:30 – 22:00(L.O20:00)
定休日:月曜日・火曜日
https://ldf-tokyo.jp/
※2024年10月時点の情報になるので、来店の際はお問合せ、ご確認をお願いいたします。