コラム Column

échalote(エシャロット)


フランス料理に欠かせない、小型で縦長の玉ねぎのような形の野菜。
中は紫色で、玉ねぎとにんにくを合わせたような香りがします(個人的に)。
個体によってはにんにくのように中身が分かれているものもあります。

フランス料理では、薄切りやみじん切りにして香味野菜※1として出汁、ソース、煮込み料理に使ったり、みじん切りにしたものは生でも使うことがあります。

※1:だし汁やソース、煮込み料理を作るときに、風味や香りをよくするために用いる香りのよい野菜のこと。


台湾料理やタイ料理では、エシャロットを揚げた「フライドエシャロット」がよく使われます。
日本でもなじみのある魯肉飯(ルーローハン)に使う食材としても有名ですね。

ベルギー・フランスからの輸入品が多く、どこでも置いている食材ではありませんが、使うと仕上がりの香りが格段によくなりますので、ここぞというときにはぜひ入手して使っていただきたい食材の一つです。

「エシャロット」似た名前で「エシャレット」と呼ばれる野菜がありますが、こちらはらっきょうを土寄せして若どりした生食できるらっきょうで、エシャロットとは全く別物。

こちらがエシャレット

現在のエシャロットが出回る前は、こちらをエシャロットと言っていたそうで、のちにエシャロットが出回るようになり区別するためにエシャレットと名前を変えたため、今でも混同されることがあります。ご購入される際はご注意ください。

なんて言って、まだエシャロットの実物を見たことがなかった20年以上前、間違ってエシャレットを買って料理を作って失敗したことがあるんですけどね(笑)


今回は、フランス料理に欠かせない香味野菜、エシャロットのお話でした。
日々のお料理の参考になりましたらうれしいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


参考:プロのためのわかりやすいフランス料理 2版 2022年9月1日 柴田書店  2024.8.2

このコラムへのお問い合わせはこちらから。

このコラムが「よかった!」「ためになった!」と思ったらシェア

同じカテゴリのコラム
フランス
【レシピ動画あり】幸運を願うクレープの日~Chandeleur(シャンドルール)
今回ご紹介するクレープの起源は、ブルターニュ地方のそば粉のガレットといわれていま...
フランス
ピンチから生まれたデザート~Tarte Tatin(タルトタタン)
寒さが増して、おいしいりんごが出回るようになると食べたくなるのがTarte Ta...
フランス
王様のガレット~Galette des rois(ガレット・デ・ロワ)
『Galette des rois(ガレット・デ・ロワ)』は、1月6日のキリスト...
フランス
lentille(レンズ豆)
レンズ豆は日本だとあまりなじみがありませんが、フランスをはじめ中東、インド、アメ...
フランス
フランス料理用語 ciseler(シズレ)とhacher(アッシェ)
日本では「みじん切り」というと、大きさ、切り方問わず「みじん切り」といいますが、...
フランス
フランス料理用語 mignonnette(ミニョネット)
mignonnette(ミニョネット)粒こしょうを粗く砕いたもの。こしょう挽きで...
フランス
【フレンチ】Loiseau de France(飯田橋日仏学院内)
先日のお昼、今年の6月に飯田橋の日仏学院内にオープンしたレストラン『Loisea...
フランス
フランス料理用語 Poêler(ポワレ)とSauter(ソテー)
フランス料理のお店に行くとよく目にするこの2つの言葉。どちらも「焼く」ことを指し...
フランス
Pâte sucrée(パートシュクレ)とPâte brisée(パートブリゼ)について
8月、9月のフレンチ基礎レッスンでは、砂糖の入った甘いタルト生地『Pâte su...