
チョコレートを使ったケーキを切るとき、
「包丁を温めるときれいに切れる」と聞いたことはありませんか?
確かにそれは正解なのですが、温めるといっても『直火で炙る』のは絶対にNG。
今回はその理由と、大切な包丁を守りながらケーキを美しくカットする方法をご紹介します。
目次
・なぜ包丁を「直火」で温めてはいけないの?
・正解は、50〜60℃のお湯で温める
・【比較検証】冷たい包丁 vs 温めた包丁
|なぜ包丁を「直火」で温めてはいけないの?

ガスコンロの火で包丁を炙ると、一瞬で熱くなり便利に感じるかもしれません。
しかし、これは包丁の寿命を縮める「絶対にやってはいけないこと」の一つ。
その理由は、金属の特性である「焼き戻り(やきもどり)」にあります。
包丁ができるまで
包丁は製造工程で、高温に熱してから急冷する「焼き入れ」を行い、鋼を硬くします。
その後、低い温度(約150〜250℃)で再加熱する「焼き戻し」という工程を経て、
「硬さ」と「しなやかさ(折れにくさ)」の絶妙なバランスに調整されています。
直火にかけると何が起こるの?
家庭用ガスの炎は、約1,700〜1,900℃にも達します。
これで刃を炙ると、適正な焼き戻し温度を瞬時に超えてしまい、
一度高温になりすぎた刃は、内部の組織が変化して柔らかくなります。
見た目に大きな変化はありませんが、
いくら研いでも切れ味が戻らない「なまくら」な状態になってしまいます。。
「もうケーキカット専用の包丁にする!」と決めているなら別ですが、
大切な包丁を守るためにも、直火で温めるのはやめましょう。
|正解は、50〜60℃のお湯で温める

おすすめは、50〜60℃程度のお湯を使う方法です。
写真のように深さのある容器にお湯を入れ、刃先を浸して温めます。
これなら刃全体が均一に温まり、鋼を傷める心配もありません。
お湯から出したら、乾いた布でしっかりと水分を拭き取ってから切ります。
ケーキに使われるチョコレートやバターの融点(溶け始める温度)は、30℃前後。
50〜60℃のお湯で包丁を温めることで、
お菓子を溶かしすぎず、スムーズに刃が入る「絶妙な温かさ」になります。
|【比較検証】冷たい包丁 vs 温めた包丁
ガトーショコラを、包丁の温度を変えて切り比べてみました。
冷たい包丁の場合
刃を入れる際に抵抗があり、断面が引っ張られてしまいます。
包丁につく生地の量も多く、拭き取る手間がかかります。


温めた包丁の場合
刃が滑らかにケーキに入り、生地の付着も最小限に抑えられます。
断面が潰れず、ツヤのある美しい仕上がりになります。


今回はケーキを切る時の包丁の温め方についてのお話でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました!