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知ってる?料理をおいしくするお酒の役割

和食の味付けの基本といえば「さしすせそ」——砂糖・塩・酢・しょうゆ・みそ。
この5つは多くのご家庭にあると思います。

でも、レシピをよく見ると、これ以外にもうひとつよく登場するものがありますよね。
そう、「お酒」です。

「レシピに書いてあるから入れてはいるけど、何のために使うのかよくわからない」
「正直、入れても入れなくてもいいのでは?」
——そんなふうに感じたことはありませんか?

実は、お酒には料理をおいしくする科学的な理由がいくつもあります。
今回はその仕組みをわかりやすくご紹介します。

料理に使うお酒について

レシピで「お酒」と指定されている場合、基本的には日本酒を指します。
日本酒は、米を精米して蒸し、麹と水を加えてアルコール発酵させたお酒です。

精米歩合(玄米のまわりを削り、残った白米の割合)によって風味が変わり、たくさん削るほど雑味が少なくすっきりした味わいに、削る量を抑えるほど米本来の甘みや旨味が強く残ります。

料理には、精米歩合70%程度(3割ほど削ったもの)を目安とした純米酒がおすすめです。
程よいコクと旨味が料理に深みを与えてくれます。

|日本酒と清酒のちがい

「清酒」という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、日本酒と清酒は何が違うのでしょうか。
実は、この2つは別物ではなく、「清酒」という大きなくくりの中に「日本酒」が含まれています。

「清酒」は酒税法で定められたお酒の分類で、外国産のお米を使ったものや、海外で造られたものも含みます。その中で、「国産の米と米麹を使い、日本国内で造られた清酒」だけが、正式に「日本酒」と名乗ることができます。

料理に使うお酒には、ほかにも「料理用清酒」や「料理酒」と表示されたものがありますが、それぞれの違いと選び方は、後ほどご紹介します。

日本酒を入れると何が変わる?

日本酒には、アルコールだけでなく、香気成分や有機酸、アミノ酸などの窒素成分が含まれています。
これらの成分が、料理において大切な4つの役割を果たしてくれます。

効果①

生臭みを消し、よい香りをつける

日本酒で臭みを消した焼き魚

アルコールは加熱すると揮発しながら、食材に含まれる揮発性の臭み成分も一緒に飛ばします(共揮発効果)。また、有機酸が魚の臭みの元になるアルカリ性のアミン類を中和します(焼き魚にレモンを絞るのと同じ原理です)。さらに香気成分が臭みを覆い隠しながら(マスキング効果)、料理によい香りを加えます。

活用例

焼き魚の前に振りかけるか、漬けてから焼く。だしを取る際(煮干しなど)に少量加える。

効果②

コク・旨味を加える

日本酒の旨味を活かしたあさりの酒蒸し

日本酒に含まれる窒素成分(アミノ酸など)と有機酸が、料理にコクと旨味を与えます。日本酒は他のお酒(ワイン、ビールなど)と比べてアミノ酸含有量が特に多く、酒蒸しがおいしくなる理由のひとつです。さまざまな料理に使えるほど癖がなく、和食の旨味を底上げする大切な役割を担っています。

活用例

あさり・鶏肉など。煮物の仕上げに加えると風味が増す。

効果③

味の沁み込みをよくする

日本酒で味を沁み込ませた料理

アルコールには食材へ素早く浸透する性質があります。煮物などにお酒を加えると、アルコールと一緒に調味料が素材の内側まで届きやすくなり、短時間で均一に味を入れることができます。調理時間の短縮だけでなく、塩分を抑えても味がしっかり入るため、減塩効果も期待できます。

活用例

肉・魚の下漬けに使うと臭みが和らぎ、旨味も早く入る。煮魚・煮物に加えると味の入りがよくなる。

効果④

素材を柔らかく仕上げる

日本酒の下味でしっとり仕上げたから揚げ

アルコールと有機酸は食材の保水性を高め、加熱しても水分が逃げにくくなる効果があります。これにより、肉や魚がパサつかず、しっとり柔らかい食感に仕上がります。

活用例

蒸し鶏・茹で鶏は酒に漬けてから火を入れるとしっとり仕上がる。から揚げの下味に加える。

|料理酒とは?どう使い分ける?

料理に使えるお酒は、一般的な「日本酒」だけではありません。
お店の棚を見ると、「料理用清酒」や「料理酒」と呼ばれるものも並んでいますよね。

「酒」とつくので一見似ているもののように思えますが、実は明確な違いがあります。
それぞれの特徴を知った上で使うことで、味を調えやすくなりますので、参考にしてみてください。

種類酒税法上の扱い特徴注意点
日本酒酒類料理/飲料向け・雑味少価格がやや高め
料理用清酒酒類料理向け・有機酸添加
料理酒酒類でない(調味料)料理向け・食塩添加で安価塩分に注意

料理酒を使ったら「しょっぱすぎた」経験はありませんか?
原因は料理酒に含まれる食塩かもしれません。レシピ通りに作っても味がぶれる場合は、使用しているお酒の種類を確認してみましょう。日本酒や料理用清酒に切り替えると、味のコントロールがしやすくなります。




今回はお料理に欠かせない日本酒の役割についてお話しでした。

まずは普段よく作る料理で、お酒を入れたとき、入れないときの違いを比べてみてください。
きっとお酒の効果を実感していただけると思います。

みなさまの毎日のお料理が楽しく美味しい時間になりますように。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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