お米は野菜と同じで時間の経過で乾燥が進む食品なので、新米か古米か、精米してどれくらい時間が経っているか、どういった環境で保管しているか、などの要因によって1粒1粒の水分量(乾燥具合)が違ってきます。
夏は30分、冬場は60分という浸水時間の目安はありますが、時間になれば炊いてよい、というわけでもありません。浸水が完了した目安ってどんな状態なんでしょうか?
目次
・お米を浸水させる理由
・浸水をさせるとお米の見た目はどうなるの
・STAUBでお米を炊くときの水加減について
・お米の計り方のコツ
・フランス料理の中のお米の立ち位置
|お米を浸水させる理由
なぜお米を炊くときに浸水させる必要があるのでしょうか?
『お米は水に浸けて炊くとでんぷんが分解されて糖ができ、粘り気が出てふっくらとしたごはんに炊きあがります。水に浸けた状態で加熱すると、お米は吸水して次第に膨張し、最終的にはでんぷんの粒が崩壊し、ゲル状に変化(糊化)して粘りのある状態になるのですが、これが「ごはんを炊く」ということです。つまり、美味しいごはんに炊きあげるためには、この「糊化(アルファ化)」の過程が欠かせません。
そのため、お米にしっかり浸水させると、お米の中心部分まで熱が通りやすくなり、でんぷんが熱で十分糊化されやすいのです。反対に、お米をといだ後にすぐ炊くとお米の表面だけがアルファ化してしまい、芯まで熱が届かないため、芯が残るごはんになりやすいという特徴があります。』
引用:全国米穀販売事業共済協同組合 ごはん彩々ホームページ https://www.gohansaisai.com/fun/entry/detail.html?i=632 2024.7.13
おいしいごはんを炊くためには、炊く前の準備がとても大切なんですね。
|浸水をさせるとお米の見た目はどうなるの
こちらは浸水前の乾燥した状態のお米。乳白色で少し透明感があります。
こちらが浸水後、全体的に白くなり、透明感がなくなりました。
お米の粒がむらなくこの状態になっていれば、浸水が完了しています。
先ほどの目安の時間で浸水しても、まだ白くなってない粒があるなら、もう少し置いておきましょう。
炊き立てごはんを食べたいけど、浸水時間が惜しい!という方は、
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のがおすすめ。
こうしておけば、十分浸水ができたお米をすぐ炊くことができて便利です。
ここでのポイントは、冷蔵庫に入れておくこと。
お米が冷えた状態から炊きはじめると、お米のデンプンが糖に変わるための時間を長くとることができ、炊きあがったときの甘さが増します。
よくお米を炊くときに「氷を入れると甘くなる」といいますが、それもこの考え方と同じです。
また、雑菌を繁殖させないなど、衛生面からも冷蔵庫に入れておくことが大切です。
余談ですが、最近の炊飯器には、浸水させずにセットしていい機種もあるそうなのでご注意を。
|STAUBでお米を炊くときの水加減について
水のお話でもうひとつ。
STAUB炊飯では「(浸水前の)お米と同量の水で炊く」とご紹介していますが、炊くときのお水と浸水するときの水は別です。
適量のたっぷりの水で浸水した後、水気を切ったお米に分量の水を合わせて炊きます。
お仕事でお客様と炊飯のお話をする中で、固くなる、芯が残るというお悩みがある方の炊き方を伺ってみると、分量の水で浸水、そのまま炊いている、ということがよくあります。
ちなみに、うちは同量じゃなく、少し多めの水で炊いてます。という方は、浸水と炊くときの水が一緒だったりします。
炊き加減にお悩みがあるという方は、浸水の水と炊くときの水を別にしていただくと改善するかもしれませんので、良かったら試してみてください。
|お米の計り方のコツ
お米1合は180ml、重さにすると150gといわれています。
ですがカップでお米を計るとき、お米とお米の間には隙間ができるので、実際計量してみると150gに対して5~10g程度の誤差があります。
こういったところも水加減に影響してくるので、炊きあがりが安定しないという方は、重さでお米を計るようにするのもおすすめです。
|フランス料理の中のお米の立ち位置
ちなみに、フランス料理でもお米は使いますが、お野菜と同じ位置づけで扱われるのが日本と違う点。
カレーライスのように煮込み料理に添えたり、酢飯感覚でドレッシングと和えてサラダにしたり、牛乳と煮てデザートにしたりと、わかる、という使い方もあれば、え?という食べ方もあったりします。
炊き方も日本とはちょっと違っていて、茹でて炊くのが一般的。こうすると粘りが出にくく、サラダにしたときにパラッと仕上がります。
また、バターライスのように、煮て炊く場合もありますが、浸水はせず、生米から炊いてくのが日本と違うところ。
バターでコーティングされたお米は粘りがなくパラパラしていて、ソースや煮汁がお米1粒1粒にしっかりと絡みます。
いずれにしても、日本のように粘りと甘み、というよりも、パラパラしている方が好まれるようです。
今回はお米の浸水っていつまですればいいのか、というお話でした。
日々のお料理の参考になりましたらうれしいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!