
11月のフレンチ基礎レッスンでご紹介しているオニオングラタンスープ。
味の決め手は、じっくり炒めたあめ色玉ねぎの甘みとコクです。
レッスンでは玉ねぎを繊維に沿って切り、形や食感が残る仕上がりにしていますが、
繊維を断つように切るとどんな違いがあるのか、参考のために比較してみました。
目次
・写真で見る「炒め上がり」の違い
・なぜ「繊維を断つ」と早く炒まるのか?
・切り方×煮込み時間による食感の変化
・コンソメいらずの深いコク。あめ色玉ねぎがスープに起こす「魔法」
・最後に
|写真で見る「炒め上がり」の違い
こちらは炒めたあとの状態です。
【繊維に沿うように切った場合】

柔らかくなっていますが、形はしっかり残っています。
【繊維を断つように切った場合】

柔らかく、全体がしんなりとしてなじんでいます。
炒める時間も、繊維に沿って切った場合と比べて短時間ですみました。
|なぜ「繊維を断つ」と早く炒まるのか?
繊維を断つということは、細胞を支えている「壁」を細かく分断するということ。
壁なくなることで細胞内部に熱がダイレクトに伝わります。
その結果、繊維に沿う切り方と比べ細胞内の水分や旨味が外に溶け出しやすくなり、
短時間でしんなり状態になります。
火入れを効率よく、短時間にするためには、
「繊維を断つように切る」のがおすすめ。
|切り方×煮込み時間による食感の変化
まずはレッスンと同じく、煮込み時間5分で比較してみました。
この段階では食感にそれほど大きな差は見られませんでしたが、
繊維を断ったほうがやや歯切れがよく、口に残る時間が短く感じられました。
さらに20分ずつ煮込み時間を延ばしてみると、
繊維を断ったほうは一段と柔らかさが増し、噛んでも繊維が残る感覚はほとんどありませんでした。
一方で繊維に沿ったほうもより柔らかくなってはいますが、噛んだときに心地よい繊維の筋を感じる状態に。
玉ねぎを具として、その存在感を楽しみたいときには、
「繊維に沿って切る」のがおすすめ。
|コンソメいらずの深いコク。あめ色玉ねぎがスープに起こす「魔法」
玉ねぎをあめ色になるまで炒めることで起きるのが「メイラード反応」と「キャラメル化」です。
これは、玉ねぎの糖とアミノ酸が加熱によって反応し、
甘味、深いコクと香ばしさ、そして食欲をそそる琥珀色を生み出す現象です。
レッスンでは、コンソメでなく出汁をベースにスープを仕上げていますが、
この凝縮された色と旨味があれば十分深みのあるスープになります。
左が出汁と炒め玉ねぎを合わせた状態、右が5分ほど煮てなじんだ状態です。
玉ねぎの旨味と甘みが出汁に移り、出汁の色がきれいな琥珀色に、
甘味とコクが加わってとってもおいしいスープになります!


|最後に
「なんとなく切る」から、「イメージを持って切る」へ。
玉ねぎの繊維ひとつを意識するだけで、仕上がりの食感や味が劇的に変わる!
その面白さが、少しでもお伝えできていたらうれしいです。
「今日はとろけるような口当たりにしたいから、繊維を断とう」
「具材の存在感を楽しみたいから、繊維に沿って切ろう」
その日の理想に合わせて切り方を使い分けられるようになると、
お料理はもっと自由で、もっと楽しくなります。
基本を知ることで、いつものキッチンから生まれる一皿がもっと特別に、もっと美味しく変わるはず。
あなたも一緒に、一生もののフレンチの基礎を学んでみませんか?
皆様とレッスンでお会いできるのを、心より楽しみにしています。
今回は、炒め玉ねぎの切り方について検証したお話でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました!