
ほんのり秋の気配を感じ始める頃、店頭には立派な巨峰が並び始めます。
そのまま食べるのももちろんおいしいですが、ひと手間かけて皮も種もない、ぷるんと食べやすい状態にしておくと、お菓子作りやちょっとしたおもてなしにも大活躍します。
目次
・巨峰の湯むきのメリット
・湯むきのやり方
・種の取り方
・おすすめレシピ
・その他のぶどうの湯むきと保存について
|巨峰の湯むきのメリット
『湯むき』と聞くとトマトや桃を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実はとても簡単でメリットもいっぱい。
1.皮と果肉がきれいに分かれ、つるんとした状態に
→ 皮むきが苦手な方でも、簡単に美しく仕上げられます。
2.粒のまま使えるので、見た目がきれいで扱いやすい
→ デザートや前菜など、盛りつけの美しさを活かしたいときに最適です。
3.口に入れたときの食感がなめらかに
→ 皮の渋みやかたさがない分、果肉のジューシーさが際立ちます。
きれいに湯むきができた巨峰は、そのままいただくのはもちろん、コンポートやゼリー、ワイン煮など、ひと手間加えたアレンジにもぴったりです。
|湯むきのやり方
やり方はトマトの湯むきと同じ。
写真入りの詳しい手順は、こちらの工程3からを参考にしてください。
【トマトの湯むきのやり方】
<湯むきの手順>
① 巨峰は房から外してさっと洗います。
② 鍋にたっぷりの湯を沸かし①を入れます。
③ 5〜10秒ほどくぐらせたら、すぐに氷水にとります。
④ 粗熱が取れたら、茎とつながっていたところから皮をむきます。
・湯に入れる時間が長すぎると果肉がやわらかくなりすぎてしまうので短時間で。取り出したあとは手早く冷やします。
・むきづらい場合は、先端の丸みのある部分に包丁で浅く切り込みを入れてむいてみてください。
左が湯むきしたもの、右がそのまま皮をむいたもの。
湯むきしないものは、ところどころ皮に実がついてきてしまい、表面がガタガタになっています。


|種の取り方
巨峰の品種によっては種が入っていることもあります。
下ごしらえの段階で種を取り除いておくと、食べやすさが格段にアップしますのでおすすめ。
種を取るときにはピンセットがあると便利です。
半分に切り、ピンセットや手で取り除く



粒を丸ごと使いたいときは、茎の部分からピンセットを差し込み、種を挟んだら軽くひねってピンセットを引き抜きます。






|おすすめレシピ
湯むきした巨峰を使って、やさしい甘さと香りを引き出したコンポートに。
皮を一緒に煮出すことで色鮮やかに仕上がります。
煮汁をそのままゼリーに展開すれば、見た目も涼やかな季節のデザートになります。
<材料(作りやすい分量)>
巨峰(種ありでも可) 1房(約300g)
水 200ml
白ワイン 50ml
グラニュー糖 40g
レモン汁 適宜
板ゼラチン 5g ※ゼリーにする場合
<下準備>
・巨峰は湯むきをして皮をむき、種がある場合は取り除く(粒のままが見た目にかわいく仕上がる)。
・取り除いた皮はお茶パックに入れておく。
・板ゼラチンは水でふやかしておく。
<作り方>
1、鍋に水・白ワイン・グラニュー糖・湯むきした巨峰・お茶パックに入れた皮を入れて中火にかける。
2、沸騰したらあくを取り、2分ほど煮る。味を見て必要であればレモン汁を加えて味を調える。
3、火を止め、実と煮汁を耐熱容器に移して粗熱を取る。そのまま数時間〜一晩冷蔵庫で冷やす。
☆この間に皮の色が煮汁に移ってきれいな仕上がりになります!
【ゼリーにする場合】
1、コンポートの煮汁を取り分けて温め、ふやかしたゼラチンを加えてよく溶かす。
2、タッパーや器に実とゼリー液を入れて冷やし固める。
ゼリー液の一部をバットに流して固めてクラッシュゼリーにして、実とゼリーを交互に器に盛りつけると、見た目にも華やかです。

|その他のぶどうの湯むきと保存について
種なしで皮ごと食べられることで人気のシャインマスカットも、巨峰と同様に湯むきが可能です。
ただ、皮に含まれる香り成分が減少するため、できれば生のまま食べるのがおすすめです。
また、ぶどうは房のまま保存することもできますが、全体の重みで下の粒がつぶれやすく、それが傷みの原因に。また、茎から水分が吸い取られて実のジューシーさが損なわれることも。
より長く保存したい場合は、【粒を一つずつ切り分けて保存する】のがおすすめ。
このとき、実に茎を少しだけ残してカットするのがポイント!
完全に茎を取り除くと、切り口から水分が抜けてしまったり、傷みやすくなります。
保存する際は、キッチンペーパーを敷いた保存容器に重ならないように並べ、冷蔵庫の野菜室で保存するか、ジップロックに平らに広げて冷凍します。
ちょっとしたひと工夫で、ぶどうの保存や使い方がぐっと快適に。
ぜひ旬のぶどうを、もっと自由に、もっとおいしく楽しんでみてくださいね。
日々のお料理の参考になりましたらうれしいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!