
玉ねぎは一年を通して手に入り、和洋問わずあらゆる料理に登場する万能食材。
しかし、その切り方ひとつで食感・火の通り・甘みの引き出し方が大きく変わることをご存じでしょうか。
特に「繊維に沿って切る」か「繊維を断つ」かで、同じ料理でもまったく違う仕上がりになります。
今回は、玉ねぎの繊維を意識した切り方の違いと、皮むきのコツをご紹介します。
目次
・玉ねぎの繊維とは?
・プロ直伝!玉ねぎの皮むきのコツ
・料理別・切り方の使い分け実例
・【動画】玉ねぎの皮のむき方、切り方(うす切り、くし切り)
・まとめ
|玉ねぎの繊維とは?
玉ねぎの表面には縦方向に細い筋(繊維)が走っています。
この繊維が、加熱したときの形や口当たりを左右します。
切る方向を変えることで、料理の仕上がりがガラリと変わります。


繊維を断つ(左)
特徴:歯切れが良く、とろっと柔らかくなる
向く料理:サラダ、スープ、炒め物など、口当たりを軽くしたいとき
ポイント:火が早く通り、甘みが引き立ちます
繊維に沿って切る(右)
特徴:シャキッとした食感が残る
向く料理:カレーやシチューなど、煮崩れさせたくないとき
ポイント:長時間煮込んでも形を保ち、存在感を残します
スライスでは食感の差が分かりにくいですが、厚みがあるとその違いは歴然。
甘みや食感の違いがはっきりと感じられるので、ぜひ意識して食べてみてください。
|プロ直伝!玉ねぎの皮むきのコツ
玉ねぎの皮むきは、途中でちぎれてしまったり、薄皮が残ってしまったりと、意外と手間がかかるもの。調理の前段階で時間を取られてしまうと、ちょっとストレスを感じますよね。
そこでご紹介したいのが、専門学校時代に先生から教わった、現場でも実践されているスピーディーな皮むき方法です。
玉ねぎの皮を上から下へ一気に引っ張るのではなく、リンゴの皮をむくように、くるくると回しながら剥く。
こうすると皮が途中でちぎれにくく、まとめてスルッと剥けます。
もちろん個体差はありますが、比較的どんな玉ねぎにも応用できる万能テクニックです。

根のぎりぎりに包丁を入れてカットする。

ここで皮まで切り落とさないのがポイント。

根を外すときに、包丁を少し先へすべらせて皮に切り込みを入れる。

玉ねぎの先端も落とし、同じように皮に切り込みを入れる。


切り込みから皮の裂け目を包丁で起こし、リンゴの皮をむくようにくるくると回しながら剥く。


|料理別・切り方の使い分け実例
同じ玉ねぎでも、料理の仕上がりによって向いている切り方が変わってきます。
ここでは、日々の食卓でよく登場する料理を取り上げて、それぞれに合う切り方をご紹介します。
・オニオンスライスサラダ(生)
繊維に沿う:シャキシャキ感が強く、辛みが残りやすい
繊維を断つ:歯切れが良く、辛みが和らぎやすい
・オニオンフライ/オニオンリング(揚げる)
繊維に沿う:層がはがれにくく、食べ応えがある
繊維を断つ:噛み切りやすく、柔らかく軽い食感に
・ビーフシチュー・ハヤシライス(煮込む)
繊維に沿う:形を残しつつ旨みを煮汁に移す
繊維を断つ:早くとろけてソース全体がまろやかに
・生姜焼きや野菜炒め(焼く・炒める)
繊維に沿う:シャキッと感を残す
繊維を断つ:短時間で柔らかくなり甘みが出やすい
・南蛮漬けやマリネ(漬け込む)
繊維に沿う:形が崩れにくく、見た目をきれいに保つ
繊維を断つ:味が短時間でなじむ
|【動画】玉ねぎの皮のむき方、切り方(うす切り、くし切り)
|まとめ
玉ねぎは切り方ひとつで、食感も見た目も料理の仕上がりも変わります。
「繊維に沿う」「繊維を断つ」を意識して選ぶだけで、同じ料理でもまったく違った味わいになります。
次に玉ねぎを切るときは、ぜひ繊維の向きを意識して、料理に合わせた切り方を試してみてください。
今回は玉ねぎの切り方のお話でした。
日々のお料理の参考になりましたらうれしいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!