
お米は野菜と同じように、時間の経過とともに乾燥が進む食品です。そのため、新米か古米か、精米してからどれくらい時間が経っているか、またどのような環境で保管しているかなどの要因によって、1粒1粒の水分量(乾燥具合)が違ってきます。
夏は30分、冬場は60分という浸水時間の目安はありますが、必ずしも時間通りにすればそれだけで大丈夫、というわけでもありません。では、しっかり浸水が完了した目安とは、一体どのような状態を指すのでしょうか。
目次
・なぜ必要?お米を浸水させる大切な理由
・時計を見なくても大丈夫!浸水完了の「見た目」のサイン
・芯が残る原因に?間違いやすい「水加減」の落とし穴
・毎回同じ固さに炊き上がる「お米の計り方」の盲点
・主食じゃない?フランス料理のおもしろいお米事情
目次
|なぜ必要?お米を浸水させる大切な理由
なぜお米を炊くときには、浸水させる必要があるのでしょうか。
その理由は、お米の中心までしっかりとお水を浸透させて、熱を均一に伝えるためです。
お米は十分にお水を吸わせることで、でんぷんが分解されて糖(甘み)へと変わります。しっかり芯まで浸水させてから加熱することで、お米の全体がムラなくふっくらとした、粘りのある美味しいごはんに炊き上がるのです。
反対に、お米を研いだ後にすぐ炊いてしまうと、お米の表面だけが急激に加熱され、中心まで熱が届かなくなってしまいます。これが「芯が残る硬いごはん」になってしまう大きな原因です。
美味しいごはんを炊くためには、火にかける前の準備が大切なんですね。
|時計を見なくても大丈夫!浸水完了の「見た目」のサイン
浸水前後のお米の変化を写真で確認してみましょう。

こちらは浸水前の乾燥した状態のお米です。全体的に乳白色で、少し透明感があるのが分かります。

そしてこちらが浸水後のお米です。全体的に白くなり、透明感がなくなりました。
お米の粒がムラなくこの状態になっていれば、浸水が完了したサインです。
先ほどの目安の時間(夏30分、冬60分)が経っても、まだ透明な粒が混ざっている場合は、全体が白くなるまでもう少し置いてあげてください。
ちなみに、
「炊きたてのごはんを食べたいけれど、忙しい時間帯にそんなに待てない……」
という方には、次のような工夫がおすすめです。
朝ごはんを炊く派なら『夜研いで冷蔵庫に入れておく』
夜ごはんを炊く派なら『朝研いで冷蔵庫に入れておく』
こうしておけば、しっかりと浸水ができた状態のお米をすぐに炊くことができてとても便利です。
ここで大切なポイントは『研いだお米は冷蔵庫に入れておく』です。
お米が冷えた状態から炊きはじめると、お米のデンプンが糖に変わるための時間を長くとることができ、炊きあがったときの甘さが増します。よく「お米を炊くときに氷を入れると美味しくなる」と言われるのも、これと同じ理由です。
また、雑菌の繁殖を抑えるという衛生面からも、冷蔵庫での保管が安心です。
※最近の炊飯器には、あらかじめ浸水ステップがプログラムされており、浸水させずにすぐスイッチを入れて良い機種もあるようですので、お使いの炊飯器の取扱説明書をご確認ください。
|芯が残る原因に?間違いやすい「水加減」の落とし穴
お米を炊くときに大切なもう一つのポイントは、水加減。
「浸水させるときのお水」と「炊くときのお水」は別にしましょう。
たっぷりの適量のお水でしっかりと浸水させた後、一度ザルにあげて水気をしっかり切り、「計量した米(乾燥時)に合った量の水」を合わせて火にかけます。
レッスンやストウブのイベントでお客様から「お鍋で炊くとどうしてもご飯が固くなる、芯が残る」というお悩みを伺うことがあります。
そういう時に詳しく炊き方を伺ってみると、「計量したお水で浸水させて炊いている」というケースがとても多いです。
炊き加減がなかなか安定しないな、と感じている方は、一度「浸水の目安」と「浸水と炊くときの水」を見直してみるのもおすすめです。
|毎回同じ固さに炊き上がる「お米の計り方」の盲点

お米1合は一般的に180ml、重さにすると約150gと言われています。
ですが、計量カップでお米を計る際、お米の粒と粒の間にできる隙間の具合によって、実際には5〜10g程度の誤差が生まれてしまうことがあります。
こうしたわずかな体積のズレも水加減に影響してくるため、「毎回同じように炊き上がらない」とお悩みの方は、カップではなくキッチンスケールを使って「重さ(グラム)」でお米を計るようにするのもおすすめです。
重さで計るようにすると、水の量とのバランスが常に一定になり、仕上がりのぶれをなくすことができます。
|主食じゃない?フランス料理のおもしろいお米事情

ちなみに、フランス料理でもお米はよく使われますが、日本と大きく違うのは、お米を主食としてではなく「お野菜(付け合わせ)」として扱う点です。
煮込み料理の付け合わせ、ドレッシングと和えたお米のサラダ、ときには牛乳と砂糖で甘く煮てデザートにしたりします。私たち日本人の感覚からすると、少し新鮮で驚くような食べ方がたくさんあります。
また、炊き方も日本とは異なり、たっぷりのお湯でお好みの固さに「茹で上げる」方法が一般的です。こうすることで、お米の表面の粘り(でんぷん質)が出にくくなり、サラダや付け合わせにしたときにパラッと仕上がります。
もちろん、バターライスのように煮て炊く場合もありますが、この時も日本のように浸水はせず、生のままのお米をバターで炒めてから水分を加えて炊いていきます。バターでコーティングされたお米は粘りが出ずパラパラとするため、煮汁やドレッシングが1粒1粒にむらなく絡みます。
いずれにしても、フランス料理では日本のような「もっちりとした粘りと甘み」よりも、料理に合わせやすい「パラッとした軽さ」が好まれる傾向にあります。国が変わるとお米の食べ方も違っていておもしろいですね。おもしろいですね。
今回は、お米の浸水の重要性と、見た目での見極め方についてご紹介しました。
日々のお料理の参考になりましたらうれしいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!